タバコとの出会い、そして別れ。思い出の数々。

ちょっと1本

大学生になり、見知らぬ地で一人暮らしをはじめました。

一人暮らしと言っても、僕の住んでいたアパートは学校の寮。

隣の部屋も向かいの部屋も、みんな学校の同級生の部屋でした。

全国各地から集まった寂しい貧乏学生たちは、次第に仲良くなり、ヒマを見つけては誰かの部屋に集まってテレビをみたり、マージャンをしたりするようになりました。

大学生にもなると、周囲には徐々に喫煙者が増えてきます。

私は大学生になったからといってタバコを吸うつもりは全くなかったのですが、運悪く周囲の友達連中がみんなタバコをはじめてしまったのです。

タバコを吸う友達連中はなぜがとても大人っぽく見え、なんとなくカッコイイのです。

それと比べて、タバコを吸わない自分は子供っぽく、とてもカッコ悪いんではないだろうか!?

今思えば、とても子供っぽい思いが頭をよぎってしまったのです。

「1本だけ、遊びで吸ってみなよ!」

「煙を肺に入れなければ、全然たいしたことないよ。」

友人は大人っぽく私にタバコを差し出してきました。

「煙を肺に入れなければ体に害はないのか。煙を口に含むだけならオレにも出来そうだな。」

私は1本のタバコをもらい、ライターで火をつけてしまいました。

とてもマズくて苦かったのですが、少し大人になったような気持ちになりました。

この時は、まさか一日50本も吸うヘビースモーカーになるとは夢にも思っていませんでした。

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